抗シワ作用持つUVミルク 三相乳化活用 東洋新薬(2014.11.6)


 界面活性剤を使わない乳化技術の三相乳化を応用することで、従来難しかった日焼け止めと保湿機能を両立する日焼け止め乳液を㈱東洋新薬(福岡市博多区)が開発した。抗シワ作用も持つ。「これまでにない日焼け止め化粧品の開発が期待できる」として、これにより化粧品ODM事業の拡大を図る構え。

 今回開発した三相乳化UVミルクの抗シワ作用は、日本香粧品学会が定めた「抗シワ評価ガイドライン」に従った臨床試験で確認されたもの。「乾燥による小ジワを目立たなくする」という効能表示、広告宣伝もできる。

 日焼け止め化粧品には一般的に紫外線散乱剤を配合する。一方で、水分や油分に吸着しやすく塗布時のきしみ感や肌乾燥を起こすこともあり、その対策として保湿成分を加える場合もある。ただ、同社によれば、散乱剤と保湿成分は凝集・沈殿してしまい、保湿作用が十分発揮されにくいという課題があった。

 この課題を同社は水溶液中に油分を取り込むことができる「水中油滴型三相乳化技術」を利用して解決。この技術では油分(散乱剤)と水溶液(保湿成分)を独立・共存させることが可能で、それぞれの機能を十分発揮させられるという。

 神奈川大学の特許技術である三相乳化は、同社の化粧品ODM事業の独自技術の一つともなっている。同技術の特徴である耐水性を生かしたハンドクリーム、デオドラントクリームなどをこれまでに開発し、同事業業績を昨年来伸ばしている。

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