健食「現在利用」減る イメージも悪化 東京都調査 (2014.12.11)

東京都

 東京都生活文化局が都民500名を対象に実施したインターネット調査で、健康食品の利用状況やイメージが、2003年の前回調査時と比べて低下していることが分かった。現在利用している人は44%と10ポイント悪化し、逆に、広告などの情報に「信用できない表現が多い」と思っている人は62%と5ポイント増加した。

 この調査は、インターネット都政モニターを対象にしたもの。調査期間は今年10月22日から28日。20代から60歳以上の男女460名から回答を得た。うち60歳以上の回答者は全体の4割弱に当たる167名。50代は68名、40代は95名、30代は87名。特定保健用食品も健康食品として尋ねた。

 都の調べによれば、健康食品を「毎日利用している」と答えた人は17.2%だった。前回調査時の26.4%から大きく減少した。また、「利用したことはあるが、今は利用していない」は28%と、前回の25%からやや増加した。

 健康食品のイメージを尋ねた質問で回答数が多かったのは、「食事では足りない栄養成分を補う効果がある」が43.9%でトップ。次いで、「ほとんど効果がない」が25.2%、「美容・ダイエットなどの効果がある」が20.9%となった。前回調査では「ほとんど効果がない」が13.5%と、10ポイント以上増加したことになる。

 また、広告など製品情報の表現について尋ねたところ、「信用できる表現が多いと思う」は9.8%だったのに対し、「信用できない表現が多いと思う」が62.2%と、前回調査と比べて両者の差が10ポイント近くも開いた。信用できない表現が多いと感じる情報源については、「テレビ・新聞・雑誌などのCM・広告」が64.3%と、「商品のチラシ、パンフレット」の52.8%を大きく上回った。

 健康食品に関する都への要望については、「虚偽、誇大な広告や表示の取り締まり」(66.6%)、「悪質業者の公表」(43.7%)、「市販製品の成分検査の強化」(35.2%)が多かった。表示の取り締まりについては、前回調査の53.8%から大きく増加したという。

 都によれば、この調査は、「機能性表示をできるようになるなど、健康食品を取り巻く環境が変わろうとして」いることもあり実施した。健康食品事業者にとっては、新制度への対応とともに、表示規制などを受け、この10年で低下されてしまったイメージの回復に向けた取り組みも求められそうだ。

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