「届け出ないと悪質業者」とレッテル 阿南氏が見解(2014.12.11)
日健栄協の機能性表示制度セミナーでは前消費者庁長官の阿南久氏も登壇。新制度に関する国の関与について考えを述べ、不適正表示の監視・取り締まりなどともに、「(機能性表示を)届け出ない事業者への対応策を検討する必要がある」などと語った。「消費者が求める食品の新たな機能性表示について」と題した講演の中で述べた。
阿南氏の発言は、新制度に乗らない健康食品事業者を、十把一絡げに問題視する考えを示した格好だ。阿南氏はすでに消費者庁からは離れているが、一般社団法人消費者市民社会をつくる会を今年10月に設立、理事長を務めている。
この講演とは別に登壇した討議でも阿南氏は、「(新制度に)乗ろうとする事業者が大半だと思うが、中には乗るつもりのない事業者もあるのではないか。そういうところは悪質事業者が多いと思う」などと偏向的な考えを述べた。「対策は行政も考える必要がある。業界団体全体として、淘汰していく体制も必要だと強く思う」。
一方で、この阿南氏の見解に対し、同じく討議に参加したUBMメディアの牧野順一社長が「(機能性表示を)やりたくても出来ない」事業者もあると指摘。機能性関与成分の確認など表示を行うための「資格案件が足りない」という場合もあり得るためで、「(新制度に乗りたくても)乗れない事業者が『悪質業者』のレッテルを張られたりすれば、産業が萎縮してしまう」などと強い懸念を示した。