共通基盤で機能表示へ 東アジア米機能標準化会議(2015.1.8)
東アジア米機能標準化会議が昨年12月10~12日の3日間、農林水産省、国際農林水産業研究センター、人・健康・未来財団と生命科学振興会の共催で京都リサーチパークにおいて開催された。会期中には延べ150名が参加した。
同会議は、抗酸化能、高アミロース、フェルラ酸、GABA等があるが、その機能表示は各個まちまちであり、市場の混乱を招く恐れがあるとし、日本の適正な米輸出や東アジア・東南アジアで機能米(医用米)についての概念を共有し、測定法や定義について標準化することでこの地域の米穀産業に就く人々に利益をもたらすことを目的に開催された。
中国、韓国、タイ、マレーシア、インド、ベトナム、インドネシア、日本の研究者が参集した同会議では、米の機能性の報告や評価方法、育種や精米などの生産技術まで議論された。
最終日には、米機能標準化に向けた京都宣言が採択された。内容は以下の通り。
米は世界人口の半数以上を占めるアジアの国々が主食とする重要な穀物。会議において健康維持や疾病予防に繋がる機能性成分の科学的裏付けが医学及び栄養学研究によりなされつつあり、慢性腎臓病や抗酸化、抗うつなどの効果が証明しつつある。一方、機能性を持つ品種の改良や、玄米の加工技術等における革新が進展している。東アジアに健康的社会をもたらすために重要な活動や科学的裏付けに基づいた共通したこめ機能標準化に向けた活動を強化していくことを確認。そのために、農業・食品・医学等の学術的研究による国際的研究ネットワークの構築への取り組み強化が適切な東アジアこめ機能標準化と表示に向けて不可欠である。
また、標準化に向けた道のりには、医学的側面をはじめ、科学的実証の重要性を確認する共に、政策的、経済的な側面を持つことが重要。この分野における政府、民間、学界等の多岐に渡る関係者の継続した共同研究や、情報交換の必要性を強調する―とまとめられた。
この採択は、今月26~29日にマレーシア・クアラルンプールで開催される臨床栄養第9回アジア太平洋地域会議で引き継がれ検討される。
【写真=延べ150名が参加した東アジア米機能標準化会議(写真左)と、組織委員長の渡邊昌氏】