機能性表示啓発など重点に 都が食品安全推進計画案 (2015.1.8)

東京都

 東京都は、食品安全に関する都の施策をまとめた「東京都食品安全推進計画」の改定案を策定した。2015(平成27)年度から2020(平成32)年度までの6年間の計画をまとめたもので、食品の新たな機能性表示制度への対応など健康食品対策や、政府が推進しているHACCPの導入支援、輸入食品対策など12項目を重点施策に挙げた。12日まで都民から意見を募集する。

 同推進計画は都の食品安全条例に基づいて策定されたもの。今回の改定は、これまでの推進計画に基づき取り組んできた全庁的な施策の継続を基本としつつ、前回(2010年度)改定以降に生じた食品の安全に関する諸課題や、「2020年東京オリンピック・パラリンピック」の開催も見据えた今後の課題などを整理した。

 このうち重点施策は健康食品対策などを含めた12項目を挙げた。

 健康食品対策は、今春にも制度が創設される新たな食品表示制度を新規に取り上げ、事業者への制度周知とともに、都民へ正しい利用方法などの普及啓発を行い、適切に対応していくとした。

 このほかの健康食品対策はこれまでの事業を継続する。具体的には、店頭やインターネットで販売されている製品の試買調査を通じた健康食品の表示、医薬品成分等の検査や、インターネット広告等の定期調査を実施し、法令に違反する場合は製品を市場から排除するなどの監視業務。東京都医師会や東京都薬剤師会と連携した健康被害情報の効率的な収集、分析評価により、健康被害の拡大防止を図る。

 さらに、事業者向けに健康食品に係る法令等を解説する事業者講習会の実施、都民向けにはパンフレットなどを作成し、正しい知識の普及、危害の未然防止を図る。

 健康食品対策以外の重点施策では、化学合成農薬と化学肥料を削減して生産された農産物を都が独自に認証する「東京都エコ農産物認証制度」の推進、HACCPなど国際基準等を見据えた事業者による安全確保の推進、放射性物質モニタリング検査結果などの情報提供、事業者へのアレルゲン管理など技術指導を含めた総合的なアレルギー対策などを挙げた。

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