医療費削減と業界発展へ 通販協・賀詞交歓会(2015.1.22)

佐々木迅会長 JADMA寺澤 JADMA川口次長

 日本通信販売協会(通販協)の佐々木迅会長(写真左)は9日、通販協賀詞交歓会で「食品機能性表示制度を上手く機能させることが、国の医療費削減と通信販売業界の健全な発展を促す」との見解を述べた。

 佐々木氏は、2度にわたる景品表示法改正によって制定された不当表示に対する課徴金制度や、協会会員が大量の個人情報流出事件を引き起こしたことにも言及。「改めて個人情報の保護を強化しなければならない」と信頼性の確立を訴えた。

 とくに憂慮を示したのは詐欺サイトによるネット通販の横行だ。同協会が開設する通販110番への相談件数は減少傾向を辿っているものの、毎月200件前後の相談が寄せられているという。佐々木氏は「消費者への啓蒙活動を続けていく」と強調した。

 賀詞交歓会には経済産業省の寺澤達也商務流通保安審議官(写真中)も登壇。「アベノミクス3本目の矢の成否を担うのは民間企業の活力である」と指摘した上で「経済規模の6割を占めているのは個人消費なので、通信販売業界の役割は大きく国の期待も大きい」と述べた。 寺澤氏は個人消費拡大のほかに、通販業界に2つの期待を示した。ともにアベノミクスの成長戦略のテーマで、第1に女性活用の支援。「この賀詞交換会場にも女性の姿が少ない」と女性の社会進出が不十分であることを訴え、通販の役割について持論を展開した。「通販は家庭と仕事を両立させて社会に進出する女性の生活を支える」。

 第2の期待は地方創生である。「地方に埋もれている優れた商品を発掘して消費者とつなぐのは通販だ。地方の商品を全国さらに世界につなぐ役割を担っている」と期待を表明した。

機能性表示、できるだけ早く

 通販協の賀詞交歓会に出席した消費者庁の川口康裕次長(写真右)は、食品機能性表示制度のガイドライン公表時期などについて「ほぼ内容は固まっている。細部の点検はあるが、できるだけ早く示したい」と述べた。
 川口氏は「新制度は安全性の担保を前提に、消費者の誤認を招かない、自主的かつ合理的な表示制度として、各界のご理解とご協力のもと円滑に進めていきたい」と意気込みを語った。

 一方、同制度を審議した消費者委員会の場では、表示制度が先行する米国において、科学的根拠が不十分な製品が流通している可能性があるといった指摘がなされるなど、根強い懸念があることも触れた。川口氏は、日本では安全性・有効性など関係情報を含め、販売前に消費者庁に届け出る「販売前届出制を導入することが適当である」と語り、理解を求めるとともに、「米国よりも進んだ制度になる」と結んだ。

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