海外睨み第2工場稼働 FSSC22000を導入 ファイナール(2013.9.12)
健康茶の受託メーカー㈱ファイナール(鳥取県鳥取市、代表取締役会長・森下辰夫氏)は、かねてから建設中であった第2工場を完成させ8月19日から操業を開始した。総工費4億円の新工場は、海外戦略を見越して、食品安全システム認証・FSSC22000を取得して臨む。
新工場は、1階が約1500平方㍍、2階が300平方㍍で総計1800平方㍍。1階は9レーンの包装ラインを揃えたことで、包装ライン→倉庫→出荷と、流れが一貫化された。
工場内は掃除しやすいように床と壁をR加工にして粉だまりの発生を防ぐ。蛍光灯も電球に埃がたまらないように配慮した。
広い天井には12本のエアーソックダクトを配置。エアコンの風をフィルターで濾過して埃を巻き上げず静かに空調する。出荷倉庫はトラックと建物の密閉性を高めたドックシェルターを完備し、昆虫や埃の侵入を防いでいる。
2階部分は原料ブレンドエリア。原料の焙煎・混合を行って1階の包装機へ供給する。ワンパック包装が可能な工場は、従来の1.5倍以上の生産能力を有している。
第2工場建設の背景には海外戦略がある。「今後の発展を求めたときアジアをはじめ欧米への進出は不可避」(森下会長)とする同社にとっては、世界で通用する更なる品質と安全性の向上は必至。9月から1年かけて食品安全システム認証・FSSC22000で武装して態勢を整える。
FSSC22000は、食品安全マネジメントを最大の目的とするもの。ISO9001の品質マネジメントシステムを柱に、食品にかかわる衛生管理及びHACCPで構成されている。ISO22000の衛生管理の部分だけをPAS220の要求事項で強化した。PAS220は、ISO22000の衛生管理に比べてハード(施設・設備)面での要求が厳しくなっている。
このシステム認証は、世界のグローバル食品企業では多くが取得している。国内での認証取得件数はまだ少ないが、グローバル食品企業と取引する企業を中心に急激に増加している。
同社では自社の海外輸出のみならず、OEM先が進出する際にも必要になるとの観点で1年前から検討していた。
【写真は第2工場包装ライン】