一般食品 新制度睨む 缶詰、ソーセージも候補(2015.2.12)
食品の新たな機能性表示制度を睨んだ商品開発が一般加工食品分野で活発化している。
水産加工大手の日本水産は1月28日、都内で開いた15年春・夏新商品発表会の中で、機能性表示食品制度を食品事業全体で活用していく方針を明らかにした。同社はEPA・DHA含有魚油の製造販売でも大手。
発表会の中で、同社取締役執行役員の大木伸介・食品事業執行は、フィッシュソーセージ・ハム、冷凍食品、練り製品や缶詰など家庭用食品の「全てのカテゴリーにおいて機能性を入れた商品群を発売したい」と述べた。これら機能性表示食品の発売は今秋からとなる見通しだ。
また同社は、ファインケミカル事業に「機能性食品推進部」を新設し、「機能性食品推進課」を置くことを含めた会社機構改正を3月1日付で実施する。同部の部長には岡本祐之・常温食品事業部長が就く。
食肉加工では、大手の丸大食品が、筋肉合成機能が報告されているBCAAを配合したハム、ウインナー、フィッシュソーセージで構成する「アルファーメイト BCAAアクティブ」を3月上旬から売り出す。同社が15年春季新商品のテーマ掲げている「健康カテゴリーの育成」を担う商品になりそうだ。
また、乳業大手の明治は、痛風の原因となるプリン体に機能する乳酸菌を配合したヨーグルトなど、健康機能に大きく着目した3製品を春から夏にかけて新発売する。
「プリン体と戦う乳酸菌」と謳うPA‐3乳酸菌を配合したヨーグルトを4月7日から全国で発売する。「アミノコラーゲン」とLB81乳酸菌を組み合わせたヨーグルトも3月末から発売し、肌と腸内環境改善の両面から訴える。また、ミルクプロテインの機能を訴求する飲料を今夏、「ザバス」シリーズに追加する。
一方、雪印メグミルクは、サプリメントなど機能性食品事業の新たな柱に成長させていく。機能性タンパク質「MBP」を配合したサプリを今年4月から通販販売限定で新発売する。今後、「MBP」のほか「ミルクセラミド」「鉄ラクトフェリン」など独自機能性素材を配合したサプリメントなども売り出す計画だ。
同社では昨年、機能性食品事業部を新設。機能性食品事業で5年後をめどに100億円の売上を目指している。