消費者施策の工程表示す 新制度見直し17年度以降(2015.2.12)


 消費者庁は1月30日、2015年度から5年間の消費者政策の基本方針を定めた「消費者基本計画」の素案をまとめた。また、施策の取組み予定をまとめた工程表(素案)も新たに策定、いずれも今月19日まで国民から意見を募集する。同基本計画は今後、国民の意見や消費者委員会の審議などを経て、今年度中に閣議決定を予定する。

 基本計画の素案では、高齢化や独居化の進行に伴う高齢者被害等の増加、高度情報通信社会やグローバル化などによる電子商取引や越境取引による消費者トラブルなど、最近の消費者問題について整理。そのうえで、今後5年間で取組む施策を①消費者安全の確保②表示の充実と信頼の確保③適正な取引の実現④消費者が主役となって選択・行動できる社会の形成⑤消費者の被害救済、利益保護の枠組みの整備⑥国や地方の消費者行政の体制整備――に分けて方針などを示した。さらに、各取組みの達成度合いを測るための指標として、KPI(重要業績評価指標)を設定した。

 このうち②では機能性表示制度にも触れ、消費者、事業者等の理解増進、施行状況を把握・検討し、必要に応じ制度の見直しを行うなどと明記。工程表では見直しの検討、実施時期を17年度以降の2年間に設定した。さらに、いわゆる健康食品も含めた表示・広告の監視強化、関係府省庁や都道府県等と連携し、食品表示の適正化を確保するとした。

 機能性表示を含む食品表示全般のKPIについては、関係法令、ガイドライン等の整備や見直し、周知の状況のほか、行政処分の状況、消費者トラブルや相談状況を挙げた。

消費者委、厳しい指摘も

 3日の消費者委員会では同素案に対し委員から厳しい意見や指摘があった。特に工程表については、毎年度同じ対応が繰り返されている施策に対し「年度だけ変えてコピペしただけ」との意見が出たほか、5年間かけて施策を実行するものには「これを工程表とは言わない」と改善を求めた。基本計画は関係省庁ごとに施策を策定することもあり、同委は消費者庁の総合調整力発揮に期待を寄せた。

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