機能性表示、施行通知も〝近日中〟 消費者庁・塩澤氏(2015.3.23)
健康食品の安全性や、食品の新たな機能性表示制度をテーマにしたリスクコミュニケーション(消費者庁、厚生労働省主催)が23日、東京・表参道の東京ウィメンズプラザホールで開催され、消費者や関係者など約150名が参加した。両省庁の担当官ら6人のパネリストによる講演と、パネルディスカッションが行われ、新制度周知に一役買った。
この中で消費者庁食品表示企画課の塩澤信良食品表示調査官は新制度の概要を紹介。幅広い利害関係者が対象のリスコミという性格上、詳細までは説明しなかったが、新制度は容器包装の主要面に「機能性表示食品」と記載すること、食品の国内制度で初めて事業者の連絡先を義務表示とした点など、他の食品との違いや特長を説明した。また、食品表示基準の規定内容の詳細を記した施行通知やガイドラインを近日中に発出するとも語り、「事業者はぜひ熟読して制度に臨んでほしい」と求めた。
一方、パネルディスカッションで栄養機能食品に新規追加されるn-3系脂肪酸と新制度の関係を問われた塩澤氏は、栄機能食品の対象はn-3系脂肪酸であり、「(新制度で対象になる)EPAやDHAとは表示できない」と強調した。
このほか、厚生労働省新開発食品保健対策室の岡崎隆之健康食品安全対策専門官は、新制度が事業者に報告を求めている被害情報の範囲について「明確な線引きは難しい。保健所などに相談し(企業で)指針を作ってほしい」と個別対応を求めた。健康食品産業協議会の関口洋一会長は、新制度に向けた事業者側の対応について「消費者からの問合せにどのくらい丁寧に対応できるかが大事なポイント」と指摘。名古屋文理大学の清水俊雄教授は「(新制度は)企業が責任を持つ。それが果たせない企業は傷を負う」と警告した。