消費者向け抄録は「最重要資料」 消費者庁・塩澤氏(2015.3.26)
消費者庁食品表示企画課の塩澤信良氏は24日、日本通信販売協会主催の「『機能性表示食品制度』前夜祭」で講演し、機能性表示食品の販売前届出の際に提出が必要となる、科学的根拠情報を平易な言葉に置き換えた一般消費者向けの抄録について、「最重要資料」になると強調した。「事業者と一般消費者を適切につなぐ大きな働きを持つ」資料になるとしている。
この抄録は、機能性の科学的根拠を巡る届出情報を、消費者にも分かりやすい言葉と文章に置き換え、構造化抄録の形にまとめて同庁に届け出るもの。ガイドライン案によれば、最終製品での臨床試験、研究レビューのいずれで機能性を評価した場合でも提出が必要となる。
記載すべきだと要求された項目は、例えば研究レビューでは目的(誰に/何をすると/何と比較して/どうなるか)▽レビュー対象とした研究の特性▽主な結果▽科学的根拠の質など少なくない一方で、規定された文字数は1000文字以内。このわずかな文書量で、難解になりがちな学術情報を分かりやすく、かつ正しく「翻訳」する必要があり、作成に当たっては相当の文章力が求められそうだ。
塩澤氏はこの日、「分かりやすい」の程度について、「新聞を普通に読めるような方が普通に理解できるというイメージのレベル感」だと独特の例えで表現。また、「やり方によっては危ない資料になる」と警告した。「翻訳の仕方を間違えると、とんでもない方向に消費者を惑わしかねない。何重にもチェックした上で、誤解のない正しく読める資料をつくり、届出てもらいたい」という。
【写真=関係者など約600名が集まった会場(24日、東京・有明)】