クランベリー 排尿改善、男性にも有効(2015.3.12)


 頻尿や排尿困難など尿路症状の改善作用が臨床試験で確認されているクランベリーエキスの採用提案を、ナチュレックスが強めている。良性前立腺肥大に伴う同様の症状の改善作用があり、男性向け排尿サポート機能性食品素材として認知度と需要の高い、ノコギリヤシ果実エキスの価格高騰に対応した動きだ。代替素材として供給量を伸ばしたい考え。

 北米原産の果実、クランベリーの摂取による機能性としては、頻尿などの症状がでる、女性の尿路感染症の再発防止作用が知られる。一方、同社が日本では昨年発売したクランベリーエキス末「フローエンス」は、前立腺の不調に伴う尿路感染症に起因するとみられる、男性の下部尿路症状の改善作用が、二重盲検プラセボ対照臨床試験で確認されている。

 ノコギリヤシ果実エキスの価格は現在、天候不順などが要因とされる果実価格の急騰を受け、以前の1.5~2倍に高まっている。ナチュレックスでもノコギリヤシ果実エキスを取り扱っており、「当社も状況は変わらず、積極的に提案できる体制にはない」。そのため、「フローエンスとノコギリヤシの複合を検討してもらいたい」と話す。

 同社によると、フローエンスの摂取による下部尿路症状改善作用が確認された臨床試験は、122名の被験者を3群(①プラセボ群②1日250㍉㌘摂取群③500㍉㌘摂取群)に分けて実施したもの。その結果、フローエンスを摂取した群はいずれも、前立腺肥大症の診断に使われるIPSS(国際前立腺症状)スコアがプラセボ群と比べて有意に改善した。論文投稿準備を現在進めているという。

 ただ、この臨床試験の被験者は、主にIPSSスコアが8~19点の人の中から選定された。この点数だけでは前立腺肥大症の完全な判定ができないとされるが、一般的には「中等症」にあたると考えられている。

Clip to Evernote

ページトップ