機能性表示、部外品と区別を要望 OTC薬協(2015.3.12)


 国内OTC医薬品メーカー大手が参画する日本OTC医薬品協会(吉野俊昭会長=ロート製薬社長)が機能性表示食品制度に対する要望書を消費者庁長官宛てに提出していたことが分かった。同庁がガイドラインの策定作業を進めていた時期にあたる2月4日、同27日の2回、提出。機能性表示食品の表示の範囲に関し、医薬部外品とは明確に区別すること、機能性表示食品にGMP適合を義務づけることなどを求めた。

 要望書によれば、同協会では機能性表示食品制度そのものは決して否定していない。「高齢化に伴い国民の健康増進の志向が高まる中、そのエビデンスが保証されている範囲で機能性を標ぼうする事など、規制緩和が図れることは適当」だとしている。

 一方で、「『疲労回復』、『緩和』等の医薬品的な効能効果を標ぼうすることを食品に認めることはこれまでの薬事行政の取り組みに矛盾する」と主張。これを認めれば、「生活者に誤認・誤用を招く要因」になるという。

 そのため、機能性表示の範囲について、「米国FDAのサプリメント規制を下回らない」ことを要求しつつ、米国では日本のような医薬品部外品規制区分が設けられていないことから、「医薬部外品の効能・効果表示と明確に区別すること」を申し入れた。

 要望書では、同協会が考える、医薬部外品の効果表示と区別できる機能性表示も例示。「疲労回復」ならば「肉体の疲労の軽減に寄与」、「便秘」ならば「2日ほど排便がない場合の便通の促進」をそれぞれ挙げた。

 疲労や便秘といった表現を禁じよという要望ではなく、医薬部外品とは異なる表現を行うよう考慮を求めているといえる。

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