無塩みそ風調味料、血圧維持に有効 丸善製薬ら確認(2015.3.26)
中堅味噌メーカーの㈱ますやみそ(広島県呉市)と、丸善製薬㈱が共同開発した「無塩みそ風調味料」について、血圧降下作用のあることが動物試験で分かった。両社のほか広島大学が確認した。27日から岡山大学で開催される日本農芸化学会大会で発表する。
試験では、無塩みそ風調味料を10%添加した高脂肪食を高血圧自然発症ラットに11週間投与。その結果、高脂肪食のみを与えたラットに比べて血圧の上昇を抑制したという。臨床試験を今後実施し、同様の効果が人でも確認できるかを検証する予定だ。
両社が開発したみそ風調味料は、みそを製造する時に一般的に添加する食塩を一切使わない。JAS規格上では食塩を加えないと「みそ」とは認められないため「みそ風調味料」と今のところは名付けている。
みそに食塩を添加するのは、長期熟成を経て製造するため雑菌の繁殖を防ぐ目的からだが、広島県食品技術センターが開発した圧力酵素分解装置を利用することで雑菌は死滅。また、高圧で麹の酵素を一気に活性化させることで、1日間という短期間で製造できるメリットもある。
無塩みそ風調味料の製法について両社は13年に国際特許を出願。発売開始は15年度中を予定しており、これに合わせて機能性研究を進めている。発売に先立ち、ますやみそでは、今年開催される「ミラノ万博」に設置される「日本館」に協賛し、世界に向けてアピールする計画だ。