DgSが目指す方向で10の提言 経済産業省(2015.3.26)
経済産業省は13日、「セルフメディケーション推進に向けたドラッグストアのあり方に関する研究会」(上原征彦座長・明治大学専門職大学院教授)の報告書を公表した。日本再興戦略に掲げるセルフメディケーションの推進に向け、ドラッグストア(DgS)が果たすべき役割について社会的役割、経済的役割の見地から検討。今後DgSが目指すべき方向性を「10の提言」にまとめた。
報告書では、セルフメディケーションに関する解説や政府の取組みについて紹介、その必要性を説くとともに、DgSを取り巻く環境や果たすべき役割を整理した。10の提言は、消費者向けの情報提供やそのためのデータベースの整備、人材育成を取り上げた。ほかにも高齢化の進展を受けた買い物弱者対策、外国人旅行者などの利便性向上、返品率改善に向けた製・配・販連携などについても挙げた。
DgSは消費者の多様なニーズに応えるかたちでその規模を拡大、2013年には全国で約1万7000店舗、約6兆円を売上げるに至っている。一方で、少子高齢化による買い物弱者対策、他の小売業との競争激化など環境変化への対応が期待されるとした。
特に競争激化では、医薬品販売の規制緩和でネット通販やコンビニエンスストアなどとの競合、食品スーパーで健康機能性食品の販売強化の動きがあることから、DgSとしては他の小売業との差別化を図りつつ、専門的知識を有する人材を活用し、セルフメディケーション推進拠点として機能を強化することが期待されているとした。
提言は機能性表示食品制度にも触れており、メーカー・卸・小売が連携し、医薬品や栄養食品なども含め成分・効果等に関する一元的なデータベース構築のための検討を進めることが重要であるとした。