機能性表示テーマにリスコミ 事業者の責任重く(2015.3.26)

03リスコミ

 健康食品の安全性や、食品の新たな機能性表示(機能性表示食品)制度をテーマにしたリスクコミュニケーション(消費者庁、厚生労働省主催)が23日、東京・表参道の東京ウィメンズプラザホールで開催され、消費者や関係者など約150名が参加した。両省庁の担当官ら6人のパネリストによる講演とパネルディスカッションが行われ、新制度の説明などが語られた。

 新制度を所管する消費者庁からは食品表示企画課の塩澤信良食品表示調査官が参加し新制度の概要を紹介。幅広い利害関係者が対象のリスコミという性格上、制度の詳細までは説明しなかったが、新制度では容器包装の主要面に「機能性表示食品」と記載すること、食品の国内制度で初めて事業者の連絡先を義務表示とした点など、他の食品との違いや特長を説明した。また、食品表示基準の規定内容の詳細を記した施行通知やガイドラインを近日中に発出するとも語り、制度を利用する事業者に「(通知等を)ぜひ熟読して制度に臨んでほしい」と求めた。

 パネルディスカッションで栄養機能食品に新規追加されるn‐3系脂肪酸と新制度の関係を問われた塩澤氏は、栄養機能食品の対象成分は総称のn‐3系脂肪酸であり、「(新制度で対象になる)EPAやDHAとして機能を表示することはできない」と説明した。

 厚生労働省新開発食品保健対策室の岡崎隆之健康食品安全対策専門官は、新制度が事業者に報告を求めている被害情報の範囲について「明確な線引きは難しい。保健所などに相談し(企業で)指針を作ってほしい」と個別対応を求めた。

 健康食品産業協議会の関口洋一会長は、新制度に向けた事業者の対応について「消費者からの問合せにどのくらい丁寧に対応できるかがポイント」と指摘。名古屋文理大学の清水俊雄教授は「(新制度は)企業が責任を持つ。それが果たせない企業は傷を負う」と警告した。

 国立健康・栄養研究所の梅垣敬三情報センター長は一定の品質が確保されたGMP製品を選択することや、専門知識を有するアドバイザリースタッフの活用を求めた。

【写真は、パネルディスカッションの様子(3月23日、東京・渋谷区)】

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