制度執行の考えなど示す 新制度のパブコメ結果(2015.3.26)
消費者庁は20日、食品の新たな機能性表示制度(機能性表示食品)に係る食品表示基準案に対する意見募集結果とそれに対する考え方(概要)を公表した。意見募集は昨年8月28日から9月26日にかけて実施し、寄せられた意見総数は1023件だった。
制度創設に反対する意見では、「科学的根拠の乏しい表示が蔓延し、かえって消費者の選択を阻害する」「HACCPやGMPを義務化せず品質にばらつきがある」などの懸念や、社会的問題となった健康食品送り付け商法を持ち出し、規制や国の関与の弱さを反対理由にする意見があった。これに対し同庁は、届出情報の販売前開示による透明性確保、適切な監視や必要な取り締まりを行うと回答した。
一方、定義の説明や安全性、機能性について詳細を求める意見の多くには通知やガイドラインで示すと回答。ただ、機能性の根拠に疑義が生じた場合は事業者に必要な報告を求めること、先行者利益の保護を求める意見には、著作権法等に抵触しないよう留意する旨をガイドラインで示すと回答した。
また、届出に虚偽があった場合は、食品表示法6条1項の指示対象になり、指示に従わない場合は同条5項の措置命令対象に、さらに命令に従わない場合は同20条の罰則対象になると回答した。
制度の対象や範囲に関する意見では、制度対象外としたアルコール含有飲料や糖を過剰に含む食品の解釈を通知等で示すとしたほか、ハンバーガーのような中食の扱いについては、設備を設けて飲食させる場合は対象外としたほか、容器包装の表示が購入時における商品選択の判断材料になるような食品とは性質が異なるため、制度の対象外と回答した。
医薬品医療機器法(旧薬事法)関係では、医薬品と新制度の範囲や、いわゆる46通知による規制の明確化を求める意見が寄せられた。同庁は、機能性表示食品を、原則、医薬品の目的を有するものとは判断しない取扱いとする通知の別紙の改正を厚生労働省で作業していること、「専ら医薬品」リストに掲載されている成分を機能性関与成分とすることはできないとした。また「食前に摂取」などの摂取方法の記載については、「総合的に判断して医薬品的な表現にならない範囲内であれば、届け出る科学的根拠に合せた摂取方法を記載することは差し支えない」と回答した。
広告については、容器包装への表示事項を定める同基準の対象外であり、取締りは景品表示法や健康増進法で行うことになるとした。