口コミで法的措置の可能性 JAROが検証結果(2015.3.26)


 ネット上の口コミサイトに消費者が書き込みを行った場合は景品表示法の規制対象にならないが、ショッピングサイトの商品販売ページなど事業者が表示内容を決定できるサイトへの口コミは規制対象になり得る──日本広告審査機構(JARO)が「口コミは法的措置の対象となるか」の検証結果をこうまとめ、12日公開した。

 半期に一度公表している「審査トピックス」としてまとめたもの。事業者が表示内容を決定できるショッピングサイト等への書き込みについては、事業者が景表法違反に問われる可能性があり、著しく異なる内容の口コミを事業者が放置している場合などに、「口コミが不当表示として問題となる可能性がある」という。

 また、商品・サービスの販売事業者が「サクラ」を使って書き込ませ、口コミサイト上の評価自体を変動させ、好意的評価を受けているかのように表示させた場合や、事業者がブロガーに依頼し根拠のない優良性を謳う記事を書かせた場合なども、事業者が同法違反に問われる恐れがある。

 一方、いわゆる健康食品のショッピングサイトに消費者が医薬品的な効果・効能を書きこんだ場合は、事業者が削除などの対応を行う必要があるという。「医薬品医療機器法(旧薬事法)上問題となる恐れがある」ためだ。また、「医薬品の効果・効能に関する口コミは禁止されている」とも指摘している。

 口コミについてJAROでは、消費者が自由な意見交換を行えることに「価値がある」とする一方で、特に口コミが商品情報の一部として機能してしまう商品販売サイトに関しては、適切な管理運営を行うよう注意喚起している。

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