来月から輸入原料GMP認証を開始 JIHFS(2015.4.9)
海外から輸入される健康食品原料に特化したGMP認証制度を、日本健康食品規格協会(JIHFS)が5月にも開始する。一般的にGMPは製造所に対して認証するが、新GMPは原料製品を個別に認証する仕組み。これにより、機能性表示食品で特に求められる機能性関与成分の同等性、あるいは同一性を確保するとともに、それを客観的に証明できるようにする。
JIHFSとして4つ目の認証制度となる輸入原材料GMPは、米FDAがcGMPで要求している原料の同一性証明に意味合いは近い。多種類の輸入原料を受け入れる受託製造事業者など最終製品製造者にとっても、原料受け入れ前に原料の同一性が証明されていれば、その確認作業の負担を減じられるなどのメリットが考えられる。
JIHFSの池田秀子理事長によれば、cGMPで原料の同一性証明が製造者に要求されている背景には、米FDAが原材料GMPの導入を断念したことがある。日本と同様に植物エキスを中心に輸入原料が多く、頻繁な現地査察が困難だったためだ。
一方、現在は米国食品安全近代化法(FSMA)で、原料を含めた輸入食品の安全性を輸入者が検証するよう義務づけられ、FDAが海外供給企業の査察を行っている。世界的に見てもJIHFSが初めて導入する輸入健康食品原材料GMPは、FSMAのような輸入食品を巡る安全性や品質の確保の仕組みを、GMP認証を通じて日本にも取り入れようというものだ。
原料製品個別に認証するのは、度重なる現地査察はやはり難しいという事情がある。しかしこれは、輸入者自らが海外供給企業の製造状況などを査察するための規範を設け、輸入者の査察報告を第三者が検証することで対応する。
また、輸入後に製品規格書に適合しているかどうかの分析試験を全ロットに対して義務付けるほか、原料保管場所の定期的な査察も行うなどといったプログラムで輸入原料を認証する。これにより、「cGMPの原材料同一性認証に優るとも劣らない制度」(池田秀子理事長)にしたい考えだ。