ルテイン、大規模臨床で結果(2013.5.9)
米国立眼科研究所(NEI)が実施した大規模臨床研究「AREDS2」の結果が5日、発表された。ビタミンC・E、βカロテン、亜鉛の摂取による、加齢黄斑変性(AMD)進行リスク減少効果が認められた大規模臨床研究「AREDS」(01年発表)の追加研究として実施。βカロテンの代わりにルテインとゼアキサンチンを摂取した方が、重度AMD進行リスクを僅かだが低下させることが分かった。
同研究の正式名称は「The Age-Related Eye Disease Study 2」。研究結果は同日、米国で開催された眼系学会「ARVO」の大会で発表された他、米国医師会学術誌「JAMA」のオンライン版に論文掲載された。
研究では、「AREDS」で効果が確認された成分に加え、ルテインとゼアキサンチンおよび魚油オメガ3系脂肪酸(DHA、EPA)を摂取すると、その効果が高まるかどうかを検証。また、βカロテンを除外し亜鉛の摂取量も減らした場合の影響も調べた。
発表によると、試験の結果、摂取成分を追加しても、付加的効果は認められなかった。
ただ、βカロテンの代わりにルテインとゼアキサンチンを摂取した被験者は、βカロテンを摂取した人に比べて重度AMD進行リスクが18%減少。また、ルテインとゼアキサンチンを摂取した人のうち食事からのルテインとゼアキサンチン摂取量が少なかった被験者では、26%の減少が見られた。このため研究チームでは、ルテインとゼアキサンチンは「βカロテンよりも安全で効果的な代替手段になり得る」との見解を示している。
研究では、中程度のAMD患者約4200名を対象にした多施設二重盲検査臨床試験を米国で実施した。試験期間は約5年。ルテインの摂取量は1日当たり10㍉㌘、ゼアキサンチンは同2㍉㌘だった。