発酵オタネニンジンが血糖抑制 長瀬産業(2015.4.23)
長瀬産業㈱(東京都中央区)は、発酵オタネニンジン抽出物に血糖上昇抑制作用があることを細胞試験で確認した。この成果は、日本農芸化学会2015年度大会で発表した。
試験では培養細胞に同抽出物を添加した結果、インスリン分泌を促し血糖値を一定に保つホルモン・インクレチンの一つ「GLP‐1」の血中分泌量が増え、その量は通常のオタネニンジン抽出物に比べて約3割多かった。抽出物の単一成分でその作用を比較したところ、オタネニンジンの代表的成分である人参サポニン「Rb1」よりも、発酵オタネニンジンに高含有する「M1」の方が高い活性を示した。
同社は、M1の作用メカニズムについても調査し、細胞分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ「MAPK」などを活性化し、これらを介した細胞内情報伝達によりGLP‐1分泌が高まったとしている。
M1は、Rb1がヒトに摂取された後、腸内細菌によって代謝された成分。同社では、この成分があらかじめヒトの体内で利用されやすいように、乳酸菌A221株でオタネニンジンを発酵させて、高含有させた。