ハラル食品、50兆円規模(2013.5.9)


 世界のハラル食品市場規模は推計5800億㌦──こんな調査結果を昨年10月に設立されたばかりの一般社団法人ハラル・ジャパン協会(佐久間朋宏理事長)がこのほど公開した。ハラルの普及啓発を進める一環として独自に調べたもの。調査結果は「ハラル市場年鑑2013」として6月10日にも発刊する。

 この調査は、国連人口統計や各国が公開している各種統計資料に基づき、11年時点の各国のムスリム(イスラム教徒)人口と、その食支出額などを協会が独自に調べ、ムスリムの食品市場規模をハラル食品市場規模と見なして算出したもの。

 国別の市場規模をみると、トップはトルコで約1000億㌦。「国内需要に加えて輸出規模が大きいのが理由」だと同協会副理事長の田中章雄氏(㈱ブランド総合研究所社長)は話す。

 第2位は、ムスリム人口が2.1億人と世界で最も多いインドネシアで約517億㌦。以下、パキスタン(約423億㌦)、インド(約421億㌦)、バングラディッシュ(約271億㌦)、エジプト(約230億㌦)と続いた。

 一方、先進国では米国とフランスがそれぞれ約185億㌦で7位と8位。日本は9億㌦で64位だった。

 「ハラルに関して日本は明らかに遅れをとっている」と田中氏。「在日ムスリムは約18万5000人いるとみられるが、輸入品を購入する以外に選択肢はないのが現状。輸出も一部大手を除いて進んでいない。制度が整っていないため、日本の食品メーカーは需要を取りこぼしている。国内と海外の需要を取り込むことで、1000億円以上のポテンシャルがある」。

 協会によると、6月発刊予定の「市場年鑑」では、主にシンガポール、マレーシア、インドネシアの3カ国におけるハラル食品市場の動向について詳しくまとめてある。調査対象商品にサプリメントは含まれていないが、田中氏は「サプリについても日本企業によるもの、かつハラル認証を取得したものは高い需要があるはず」と見ている。

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