緑茶、コーヒーで死亡リスク低下 コホート研究結果(2015.5.7)
習慣的に緑茶やコーヒーを飲む人は、飲まない人に比べ死亡リスクが低く長生きであることが、このほど国立がん研究センターなどの多目的コホート研究によって明らかとなった。研究成果は「Annals of Epidemiology」のWEB版で先行公開された。
研究班は1990年と93年に全国11の保健所管内に住む40~69歳の男女約9万人を、2011年まで追跡。生活習慣と死因との関係を調べた。追跡期間中の死亡者は1万2874人だった。
緑茶摂取と全死亡リスクとの関係では、1日5杯以上摂取する群は、1日1杯未満の群に比べて男性で13%、女性で17%低く、摂取が増えるにつれてリスクが低下した。特に、男性は脳血管疾患、呼吸器疾患で摂取量とリスク低下の相関がみられ、呼吸器疾患では1日5杯以上の群のリスクが45%減とほぼ半分に低下した。女性は心疾患と外因死で低下した。
調査班は因果関係は分かっていないが、リスク低下の要因として、緑茶のカテキンに血圧、体脂肪、脂質を調節する効果があるといわれていること、カフェインによる血管修復や呼吸器機能の改善作用を挙げた。また、女性の外因死はテアニンやカフェインによる認知能力や注意力の改善効果を挙げた。
一方、コーヒー摂取と全死亡リスクとの関係では、1日3~4杯の摂取群は、ほとんど飲まない群に比べて24%減と4分の3に低下した。ただ、5杯以上は有意な関係はみられなかった。死因別では心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患で摂取量とリスク低下の相関がみられ、その要因として、コーヒーに含まれるクロロゲン酸の血糖値改善、血圧調整効果、カフェインの呼吸器機能の改善効果を挙げた。ガン死亡には有意な関連はなかった。