蹴脂粒問題 食安委の最終判断「注視」 板東消費者庁長官(2015.5.7)


 消費者庁が届出を受理した機能性表示食品の中に、特定保健用食品として申請され、食品安全委員会が「安全性を確認できない」などと指摘した成分を機能性関与成分とする製品が存在することに疑義の声があるのを受け、山口俊一消費者担当相は4月28日、「一般論として食品安全委員会が安全上問題あると結論すれば機能性表示食品から外さざるを得ない」と述べた。

 また、板東久美子消費者庁長官も同日行った定例会見の中で、食安委がまもなくまとめる見通しの最終評価書を「注視していきたい」と述べ、「根拠になるものが否定されれば届出に基づく表示を行うことは適切ではない。届出の撤回を求めるなど一定のプロセスが必要になる」とした。安全性や機能性を巡るトクホでの審議結果が機能性表示食品に影響を与える可能性を示したことになる。

 板東長官会見の質疑ではこの問題に対する質問が集中。食安委の評価書案を知っていながら受理したのかなどと、同庁の新制度運用に対する批判的質問も投げかけられた。トクホを所管するのは消費者庁であり、板東長官は「知らないということではない」と答えた。

 消費者団体の一部などから批判を受けているのは、エノキタケ抽出物(エノキタケ由来遊離脂肪酸混合物)を機能性関与成分とする「蹴脂粒」。

 この問題を巡りマスメディアの一部は安全性を焦点に報じている。しかし、同成分の安全性に関しては12週間の長期連続摂取臨床試験、最大5倍量の過剰摂取臨床試験のいずれにおいても有害事象は何ら認められなかったと説明されている。

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