蹴脂茶、安全性評価変わらず 食安委「問題あるとは言っていない」(2015.5.14)
特定保健用食品に申請された清涼飲料水「蹴脂茶」の安全性を評価していた食品安全委員会は12日、同委新開発食品専門調査会がまとめた「安全性を評価することはできない」との結論を了承し、トクホを所管する消費者庁に答申した。委員から反対意見は出なかった。今後、消費者委員会新開発食品調査部会で引き続き審議する。
食安委事務局は、「安全性に問題があると言っているわけではない」と述べている。
専門調査会がまとめた結論は、今年2月に公表された評価書案と変わらなかった。食安委事務局によれば、評価書案に対するパブリックコメントには36件の意見が寄せられ、大半が調査会の判断に疑義や異論を申し立てるものだった。
蹴脂茶はエノキタケ抽出物を関与成分にしたもの。「体脂肪が気になる方や肥満気味の方に適する」という保健用途の表示許可を、同原料を開発したリコムが申請していた。
評価書によれば、同社は作用機序について、β3アドレナリン受容体刺激作用と、非特異的βアドレナリン受容体刺激作用を説明。一方、調査会はこの作用機序を強く疑問視。作用機序が仮に説明通りであったとしても、βアドレナリン受容体刺激作用により、さまざまな臓器に影響を及ぼす「可能性は否定できない」とし、その可能性を否定できる適切な科学的根拠が、提出資料では十分に示されていないと判断した。
調査会の前に機能性を審議していた消費者委員会新開発食品評価第1調査会は、機能性とともに作用機序を了承していた。食安委はパブコメの回答の中で、「作用機序の是非を評価したのではない」「効果について否定するものではない」などと説明している。