富士フイルム アスタ原料市場に参入(2015.5.21)
アスタキサンチン原料市場に富士フイルム㈱(東京都港区)が新規参入した。同社にも原料供給していた武田紙器㈱(千葉県柏市)のアスタキサンチン事業を全面的に譲り受けた格好だ。武田紙器の顧客をそのまま引き継ぐかたちで、5月1日から原料販売事業を本格稼働させている。武田紙器では譲渡金額を明らかにしていない。
武田紙器が原料販売していたアスタキサンチンは、イスラエルの原料メーカー、アルガテクノロジーが製造するもの。これを日本国内で精製・濃縮し、「ASTOTS(アスタッツ)」のブランド名で供給していた。同社は富士フイルムへの事業譲渡に伴いアスタキサンチン原料市場から完全撤退した。
富士フイルムでは武田紙器が取り扱っていたオイル品、粉末品、乳化品など「アスタッツ」シリーズ全品の販売を行う。ブランド名もそのままに健康食品、化粧品の両面からアスタキサンチン原料販売を展開、これにより、国内アスタキサンチン市場の拡大を目指す構えだ。
4月1日に施行された機能性表示食品制度にも前向きに対応していく様子。同社の山口豊ライフサイエンス事業部長は20日、出展した展示会の来場者向けに、「この変化を大きなチャンスと捉え、高品質な商品の提供、お客様視点でのサービスを通じて、アスタキサンチンの普及・発展に貢献していきたい」との挨拶文を出した。
富士フイルムは、子会社㈱富士フイルムヘルスケアラボラトリーを通じてアスタキサンチン配合化粧品ブランド「アスタリフト」など最終製品の販売を推進している。武田紙器のアスタキサンチン事業を譲り受けたことで、原料の安定調達体制を大きく強化させたことにもなる。
なお、同社のアスタキサンチン原料販売事業の営業面は富士フイルムヘルスケアラボ社が担う。