キューサイが「膝関節」表示を届出 コラーゲンで(2015.5.21)


 機能性表示食品の届出情報公開はここしばらく毎週金曜日午後に行われていたが10日の週は無し。ゴールデンウィーク明けの8日金曜日に情報公開されたのも1商品のみと肩すかしにあった格好だが、表示しようとする機能性は「膝関節が気になる方に」、機能性関与成分はコラーゲンペプチドという届出内容に注目が集まった。いずれもこれまでの届出にはないものだった。

 21商品目の届出を行ったのはキューサイ。主力製品の一つである「ヒアルロン酸コラーゲン」で届け出たもので、届出日は4月21日。膝関節が気になる人を対象に、「膝関節の曲げ伸ばしを助ける機能があります。膝関節が気になる方に適した食品です」と機能性を表示する予定だ。

 水などに溶かして飲む粉末状の食品。粉末・錠剤・液剤については過剰摂取が一般的に考えにくく、かつ健康被害の恐れのない合理的な理由が説明できれば、「その他加工食品」として届け出ることも可能だが、同社はサプリメントとしての届出を選んだ。

 機能性の科学的根拠は最終製品の臨床試験で説明した。届出書に添付された論文を見ると、被験者は男女29名、膝関節痛を有する人。ただ、届出書によれば、被験者選定に当たっては、痛みはあるが整形外科などで治療を受けていない、かつ膝異常の判定方法の一つであるケルグレン・ローレンス分類で、グレードⅠあるいはⅡの「直ちに治療の必要がない人」を専門医師が判断したという。このため被験者は、「疾患に罹患していない者」に相当すると説明している。

 一方、コラーゲンペプチドを巡っては、機能性関与成分が明確とは言い切れないため、新制度の対象になり得るかどうか市場関係者の間でも議論があったものの、ひとまず届出受理された。コラーゲンペプチドの生理活性成分としては、摂取すると体内に多く吸収される特定のジペプチドが確認されており、その含有量を規格化した原料も流通。ただ、届出情報によれば、機能性関与成分はあくまでもコラーゲンペプチドと見られる。これを契機に、同成分で届出を行う企業が増える可能性もありそうだ。

 他方で、同品の届出情報を巡っては、機能性関与成分はコラーゲンペプチドのみながら、商品名にヒアルロン酸が含まれることに、疑問の声が業界内の一部で上がっている。ヒアルロン酸も関与成分の一つと誤認される可能性があるためだ。

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 キューサイは届出情報を修正し商品名を「ひざサポートコラーゲン」に変更した。21日、公開情報が更新された。

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