冬虫夏草の有効成分を増大 九大院の大賀教授ら開発(2015.6.25)
九州大学大学院農学研究院の大賀祥治教授らのグループは、セミタケ由来の冬虫夏草の機能性成分を増やす人工栽培を開発した。商品化も計画されており、大賀教授によれば、今後は大学とは異なるルートから、同冬虫夏草を配合したOEM品が国内外に供給されていくという。
新たな栽培法は、核酸の前駆体を入れたり、5万ボルトの電気刺激を与えて、タンパク質など栄養成分を増やした培地を使うもの。セミタケが菌糸を伸ばす際に、タンパク質を分解する機能に着目した。
この栽培法により、従来の同冬虫夏草と比べて、抗腫瘍作用を持つコルジセピンは2倍になり、腎機能改善や血糖値上昇抑制作用のあるマンニトールも増え、このほかマグネシウムや亜鉛などの無機質成分も増加するという。また、冬虫夏草自体の収穫量も2倍になったことを確認している。