特商法改正、過剰な規制導入に反対 事業者8団体(2015.7.9)
特定商取引法の改正議論が進むなか、自民党の内閣部会・消費者問題調査会合同会議が2日に開催され、事業者団体ヒアリングなどが行われた。事業者団体からは悪質事業者の排除を望む一方、いわゆる不招請勧誘の禁止など、過剰な規制の導入に反対する意見が寄せられた。合同会議自体は「何か結論を出すものではない。(消費者委員会で)しっかり議論していただきたい」(秋元司内閣部会長)との立場だが、出席議員からは事業者団体に理解を示す意見が多く聞かれた。
ヒアリングは事業者団体からの要望を受けたものという。参加したのは日本新聞協会、日本新聞販売協会、太陽光発電協会、日本訪問販売協会、日本自動車販売協会連合会、日本通信販売協会、日本コールセンター協会、日本冠婚葬祭互助協会の8団体。いずれも過剰な規制の導入に反対する立場を説明し、健全な事業者の経済活動が妨げられないよう要望した。
なお、日本新聞協会は、山口消費者担当大臣宛に抗議書を提出するに至った、6月10日の消費者委員会特定商取引法専門調査会の運営を改めて批判した。同日の調査会には同協会役員がヒアリングに参加したが、役員の発言中、同調査会委員などから笑われ、説明を中断せざるを得なかったとし、合同会議でも同調査会への不信感を顕にした。
事業者団体の意見や要望に対し、出席した自民党議員からは、「(消費者の)生活の平穏を守りたいというのはわかるが、やりすぎは良くない」「(訪問販売お断り)ステッカーの話も出ているが、意思表示のあり方を考えなければならない」と、一定の理解を示す意見が多く聞かれた。中には消費者委の調査会が結論ありきで議論しているのではないかといった指摘や、8月中のとりまとめを予定している調査会報告書について「8月に取りまとめる必要はない」との意見も出た。最終的には秋元部会長が「消費者保護と経済活動のバランスだ」と発言し会を終えた。
【写真=自民党内閣部会・消費者問題調査会合同会議(2日、東京・千代田区)】