エビデンス支援など共同研究 千葉県バイオ(2015.7.23)
千葉県バイオ・ライフサイエンス・ネットワーク会議は14日、平成27年度総会・事例報告会(共催:かずさDNA研究所ほか)を千葉・幕張で開催した。今期の事業活動のひとつとして、機能性表示食品に関わるエビデンス支援での取組みを推し進めることなどが方針として示された。
同会議は、健康・医療・環境・食糧など将来性が見込めるバイオライフサイエンス分野の研究開発・産業振興を図ることを目的に、全県的な産学官連携などでの研究・情報活動を進めている。
当日は、①会員相互の情報提供・情報交換の促進・産学官連携の促進②共同研究プロジェクトの創出・展開の大枠の活動方針を報告。会員企業などの製品、研究成果などを報告するセミナー・シーズ発表会の実施や、県内を中心に産学官のニーズを捉えた新たなプロジェクトの創出・マッチングを進めていくことなどが決まった。
事例報告会では、かずさDNA研究所の櫻井望氏が生体の代謝産物を網羅的に検出する技術・メタボローム解析について説明、化合物の同定やデータ解析・構築など同研究所が持つ技術を活用することで各種産業に役立てられるとした。また食品分野においても、ルチンやイソフラボンなど機能性成分を裏付けることで、そばや大豆といった在来品種の高付加価値化に用いることができる利点を紹介した。
「食品機能性とメタボローム解析」と題し事例報告した京都大学の河田照雄教授は、肥満に伴う脂質代謝異常は生活習慣病を引き起こす要因で、その改善には遺伝子発現・交感神経系のコントロールが重要とし、植物由来の核内受容体リガントがそれらの要因に働きかけると述べた。