ユーカリ抽出物に歯垢の生成抑制作用 ロッテが研究(2015.8.6)
ロッテ㈱(東京都新宿区)は28日、特定保健用食品として7月15日に許可されたガムの関与成分であるユーカリ抽出物(マクロカルパールC)について、その機能性を紹介する研究発表会を都内で開催した。
同抽出物を紹介した同社中央研究所の大澤謙二部長は、歯周病予防素材を作り出す目的で20年以上天然物を探索し、歯周病原因菌に対する抗菌効果と歯垢の形成阻害効果を指標にスクリーニングした結果、常緑高木のユーカリの中でも、グロブラス種の葉に顕著な効果を見出したと説明。
培養した歯周病菌にそのユーカリ抽出物と緑茶抽出物を添加した試験では、緑茶抽出物は培養時間増加に伴い菌が増殖したのに対し、ユーカリ抽出物ではほとんど菌が増殖しないことを確認。また、ユーカリ抽出物は歯垢形成の要因となる付着性不溶性グルカンに対し、生成阻害活性が高いことも認めたと報告した。
ユーカリ抽出物の中には多様な成分が含まれているが、その中でもマクロカルパールCに最も高い抗菌活性、歯垢形成抑制作用が見られたことも大澤部長は発表した。
大阪大学歯学部の永田英樹准教授は、ユーカリ抽出物配合ガムを用いた97名のヒト試験で、歯垢堆積量や歯肉の炎症が有意に改善したことから、同ガムに歯周病予防効果がある可能性を示唆した。
なお、ロッテでは現在、ユーカリ抽出物の原料供給は予定していない。