杜中の血管拡張作用などを報告 日本杜仲研究会(2015.8.6)
日本杜仲研究会(西部三省会長・北海道医療大学名誉教授)は7月24日、設立10周年記念セミナー(小林製薬共催)を都内で開催した。当日は、共立女子大学の上原誉志夫教授、鈴鹿医療科学大学の藤川隆彦教授を招き、杜仲茶摂取による血管拡張作用や褐色脂肪細胞への関わりなどアンチエイジング効果について報告した。
上原教授は、身体の活動に様々な関わりを持つ血管の重要性を述べ、加齢などにより血管の柔軟性が失われ血管内皮機能が低下することで動脈硬化や血栓ができやすくなるなど様々な疾病を引き起こすと警鐘した。その改善策として杜仲葉に含まれるゲニポシド酸とアスペルロシドに着目し、高血圧ラットに杜仲茶を摂取させ血管の正常値への回復や、血管に脂肪がつきにくくなることを報告。また最新の研究成果として、20~64歳の健常人男女42名を対象に杜仲茶を摂取させ、血管拡張値が11.8%となり、血圧も正常な状態となったことを報告。上原教授は、「杜仲茶はこれまで臨床が先行し作用機序の解明はあまりされていなかった」とし、今後、機能成分としてのゲニポシド酸、アスペルロシドを追究していくとした。
【写真=杜仲茶の作用機序解明を進めると上原教授(7月24日、東京・千代田区)】