最終製品の臨床試験で届出へ ドクターセラム(2015.8.20)
健康食品・化粧品受託製造のドクターセラム㈱(東京都渋谷区)は、同社オリジナル健康食品素材のシルクフィブロインについて、機能性表示食品制度に対応する目的で、9月からプラセボ対照二重盲検臨床試験を始める。このほど取材で明らかにした。
最終商品の臨床試験を機能性の科学的根拠とする届出を行う計画。来春に試験を終え、本国内査読付き論文誌への投稿、届出を行い、夏ごろにも機能性表示食品として販売を始めたい考えだ。これにより、引き合いが増加傾向にある調剤薬局など新規販路の開拓に一層の弾みをつける。
9月から始める臨床試験で検証する主な機能性は、これまでに実施したヒトモニター試験で顕著な効果が見られていた脂質、糖質に対する作用とする。シルクフィブロインには、体内の余分な脂肪やコレステロールなどを吸着、排出する働きのあることが基礎研究で確認されている。
同社では、シルクフィブロインを配合したゼリー状健康食品のOEM供給を2005年に開始して以来、医療機関などと連携し、日本国内で継続的にモニター試験を実施。これまでに延べ約1900人分のデータを積み上げてきた。
モニター試験の結果としては、中性脂肪値低下作用のほかにも、血糖値やコレステロール値などの低減効果といった、メタボリッシンドロームの予防機能が示唆されている。モニター試験の被験者には、いわゆる病者が含まれる一方、境界域の人も多く、層別解析などを行うことで、副次的な科学的根拠としての活用可能性も検討する。
吉川育矢社長は機能性表示食品制度について、「健康食品市場の将来を考えれば、対応が必須と判断した。ここにきて新たに引き合いを頂戴している先からも、対応要望が非常に多い」と話す。