蹴脂粒、届出要件満たすと判断 消費者庁(2015.8.31)


 消費者庁の板東久美子長官は8月31日午後、記者会見を開き、㈱リコムが機能性表示食品として届け出たサプリメント「蹴脂粒」の取り扱いについて、機能性表示食品の届出要件を満たしているとの判断を示し、届出撤回を求めない方針を正式に明らかにした。エノキタケ抽出物を機能性関与成分とし、内臓脂肪を減少させる働きを訴求する同品は、今秋にも発売される見通し。

 蹴脂粒の安全性をめぐっては、リコムが同じ関与成分、同じ機能性で特定保健用食品の許可申請を行った「蹴脂茶」の安全性を審議した食品安全委員会が、同社が説明する作用機序を前提にすれば、循環器系などに対する副作用が生じる「可能性」があるとし、提出された資料だけでは「安全性が確認できない」と結論。これを受け、一部の消費者団体などが、蹴脂粒を機能性表示食品として届出受理するのは適切ではないなどとする疑義を、消費者庁に申し立てていた。

 板東長官は会見で、判断の理由について次のように説明した。

 蹴脂粒の機能性関与成分の安全性・機能性については、ガイドラインに基づき、一定の科学的根拠を示す届出が行われている▽安全性評価の方法は、特定保健用食品の場合と同様の臨床試験等が行われ、その結果に基づき、安全性が確認されていると届け出られている▽食品安全委員会の評価結果は、関与成分の安全性を否認したものではない▽関与成分の喫食実績などを消費者庁として調査したところ、少なくとも過去10年以上にわたり、計4万㌔㌘以上の流通実績がある一方で、危害情報は一切報告されていない──。

 板東長官は、「以上を総合的に考えると、機能性表示食品としての届出要件を満たさないという状況ではない」と述べた。


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