PIO‐NET消費者相談、2年連続増 国セン(2015.9.10)


 国民生活センターは8月20日、「2014年度のPIO―NETにみる消費生活相談の概要」を発表した。14年度の消費生活相談件数は95万4591件で、前年度を約1万5000件上回り、2年連続で増加した。商品やデジタルコンテンツで身に覚えのない料金の請求(架空請求)に関する相談が前年度比1.7倍に増えたことや、アダルト情報サイトに関する相談増が原因という。

 対照的に、送り付け商法で前年度は相談件数が多かった健康食品は、同62%(2万8999件)減の1万7955件に減った。一昨年末に冷凍食品の農薬混入事件があった調理食品に関する相談件数も半減した。

 販売購入形態別では、通信販売が同13%増の32万620件に増え、相談全体に占める割合は33.6%と、2年連続で3割を超えた。通信販売はアダルト情報サイトの相談数が最も多く、デジタルコンテンツ関係の相談数も伸びた。

 また、08年以降減少傾向だったマルチ取引も同18%増の1万1828件に増えた。一方、訪問販売は同2%減の8万9050件と、小幅ながらも4年連続で減少した。なお、店舗購入は同3%減の26万9187件だった。

 契約当事者の年代は70歳以上が20.5%と最も多く、60歳代を合わせた高齢者の割合は約35%と、05年度(約23%)の1.5倍に達した。

 契約購入金額は相談全体で同6.5%減の5538億円、平均金額では同5.5%減の120万円だった。一方、既支払金額は相談全体で同22.2%減の1724億円、平均金額では同20.8%減の42万円で、購入金額、既支払額とも減少した。

危害情報、18.5%減 健康食品は583件

 また同センターは2014年度にPIO‐NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)に集まった危害・危険情報が前年度比18.5%減の1万6790件だったとの集計結果も発表した。

 身体に何らかの危害を受けたという「危害情報」は同15%減の1万1594件。商品・役務別1位は「化粧品」(1227件)で、「医療サービス」(1205件)、「エステティックサービス」(622件)、「健康食品」(583件)が続いた。「化粧品」はカネボウ製品による白斑トラブル関係が減少したこともあり、前年度より1086件減少した。「健康食品」は70歳以上の危害情報でトップ、60歳代でも3位と、高齢者層を中心に多かった。

 危害内容別では、体調がすぐれない、痛みがあるといった根本的な原因が明らかでないものが含まれる「その他の傷病及び諸症状」(3567件)がトップ。中でも医療サービスや歯科治療、健康食品に関するものが多かった。2位は「皮膚障害」(2782件)、3位は「消化器障害」(1161件)だった。被害者の7割は女性。

 一方、危害の恐れがあるという「危険情報」は同25%減の5196件。調理食品や菓子類の異物混入が多かった。

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