トクホ試験デザイン明確化へ 合理化の工程表示す(2013.10.10)
消費者庁は9月30日、特定保健用食品(トクホ)の審査手続き合理化、迅速化の検討に向けた工程表を公表した。政府が6月に閣議決定した規制改革実施計画で具体的な検討を求めていたもので、消費者委員会など有識者に意見聴取などを行ったうえで、来年3月末までに通知改正して対応する。
規制改革実施計画では、申請企業の負担軽減等を目的としたトクホ審査手続きの合理化、迅速化に向けた検討を同庁に求めるとともに、今年度上期までに、過去に許可に至らなかった事例等を把握して改善点を明確化することや、審査内容、手続きの透明化も含め、見直しに至るまでの具体的な工程表を策定、公表するよう求めていた。
工程表はこれを受けたもので、過去に許可に至らなかった事例は23件、うち追加データ提出が求められて申請者が取り下げた事例が5件、提出データでは有効性や安全性が十分に確認できなかった事例が4件あったなどとした。また、既許可品に対する審査時の指摘事項では、試験データの追加やデータ解析、考察の再実施など、検討に長期間を要する指摘があったことを挙げた。
これらを踏まえた改善の方向としては、ヒト試験のデザインをより明確化することで、申請時に適切な有効性や安全性の資料を揃える一助となり、結果として、申請後に試験の追加や指摘が減り申請者の費用負担軽減、審査機関の短縮化が図られるとしたほか、現状は消費者委員会の審査終了後に行っている厚生労働省への意見照会、関与成分量の分析試験(許可試験)を同時並行的に実施することも挙げた。