疲労はNG? 「疲労感」で受理多く 機能性表示食品届出(2015.9.24)
疲労感の軽減や改善を訴求する機能性表示食品の届出受理が目立ってきた。届出状況の直近更新日18日までに計6品目が届出番号を取得。「眼の疲労感」に直接的に言及する届出表示も受理されており、機能性表示食品で可能な効果表示の幅広さが改めて浮き彫りになっている。
疲労や疲れを巡る機能性を保健の用途とする特定保健用食品はこれまでのところ認められていない。許可申請自体は複数製品で行われた過去があるものの、とりわけ作用機序がネックになったと言われる。
疲労感に言及する機能性表示食品の機能性関与成分を見ると、「眼の疲労感の改善」あるいは「軽減」機能を表示するのはビルベリー由来アントシアニン(届出者リフレ)とアスタキサンチン(同富士化学工業)の2成分。また、イミダゾールジペプチド(同日本予防医薬)や還元型コエンザイムQ10(同森下仁丹)は、「日常生活で生じる身体的な疲労感」という総合的な身体的疲労感の軽減効果を表示する。
疲労を巡り各届出表示が言及しているのはあくまでも〝疲労感〟であり、疲労ではない。一般的に疲労は自覚的症状として示されるもので、近年では例外も出てきたが、他覚的指標として疲労の度合いを示すのは困難とされる。このため業界関係者からは、「他覚的な指標に基づき効果が示されたと誤解されないよう、『感』を付けるように(消費者庁は)求めている」との見方も出ている。
一方、疲労に対する効能・効果を訴求する一般用医薬品も多い。日本OTC医薬品協会は今年3月、そうした医薬品の効果・効能表示と、機能性表示食品の機能表示が明確に区別されるよう消費者庁に要望。機能性表示食品の表示の一例として、「疲労回復」ではなく「肉体の疲労の軽減に寄与」を挙げていた。