抗ウイルス作用を持つエルダーベリー抽出物に、航空機で長時間フライトした乗客の風邪やインフルエンザ症状を抑制する働きが確認された。2年間に亘る無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果。同抽出物を原料供給する㈱トレードピア(東京都中央区)が7日に発表した。
試験を実施したのはオーストラリア・グリフィス大学薬学部のEvelin准教授ら。オーストラリアから海外に向かう約300名のエコノミークラス乗客を対象に調査していたという。
エルダーベリー抽出物摂取群は、対照群に比べて風邪症状の発現が少なく、また、症状の現れる期間と症状の程度が有意に軽減したことが認められた。この結果についてEvelin准教授は、「エルダーベリーに高含有するアントシアニジン、マグネシウムによるもの」と結論付けている。
また欧州での最新試験では、エキナセアエキスとの併用でタミフルと同等の効果が示唆された。
試験に使われたエルダーベリー抽出物はイタリアのイプロマ社が製造し、ドイツのベリーファーマ社が販売するもの。日本国内には、トレードピアにより2011年から供給されている。