商標登録、類似に留意 AIFNが法律セミナー(2015.9.24)


 国際栄養食品協会(AIFN)が主催した法律セミナーが14日、都内で行われ、この中で飯島国際商標特許事務所の弁理士の藤森裕司氏が登壇し、商標権について講演を行った。

 藤森氏は「健康食品とブランド」をテーマに講演。商標権は特許庁に商標登録を出願・登録することで、商品やサービスの目印を日本国内で独占的に使用できる専用権と、出願・登録を含めた他者の商標の使用を禁止する排他権の2つの強力な権利だと説明。さらに、商標権は類似の商品にも効力が及び、ミネラルウォーターならジュース類などにも規制がかかると語った。

 もし、商標権侵害を起こした場合、差止請求権の行使対象になるほか、損害賠償請求権の対象にもなり、その際は、「商標権の存在を知りませんでしたと主張しても全く考慮されない」と警告。故意に使用した場合は刑事罰の対象にもなると語った。

 一方、最近の商標審査基準や類似商品・役務審査基準の改定などにより、サプリメントとビタミン剤、アミノ酸剤、滋養強壮変質剤などの薬剤と類似とみなされる可能性があり、健康食品の事業者がサプリの商標登録をする際は、これら商品の登録状況についても確認が必要だと指摘した。仮に、サプリメントで商標登録が認められても、その前に薬剤で商標登録されたものがあり、相手側からの無効審判で自分の商標権が潰された場合、遡及的消滅となり、過去に遡って損害賠償請求されると語った。

 藤森氏はまた、日本の出願数は年間12万件、1日約400件だが、中国は年220万件と異常に多く、この多さから様々な国際問題を起こしているほか、日本では先に出願、登録した者が権利を有するが、米国では先に使った者が優先されると、各国で商標に対する考え方や制度に違いがあることも説明した。
【写真=講演する藤森裕司氏(14日、東京・新宿区)】

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