「ファイバリクサ」上市 トレハに次ぐ素材に 林原(2015.10.8)
㈱林原(岡山市北区)は、健康効果を持つ同社の新規機能性糖質として、澱粉由来の水溶性食物繊維「ファイバリクサ」を11月25日に発売する。耐糖能改善などの健康効果、和菓子のしっとり感維持などの物性改善を備える「トレハ」に次ぐ大型素材に育てたい意向で、同社は今後積極的な販売活動を行う計画も立てている。初年度販売目標は100㌧。
同品は、澱粉に微生物由来の2種類の酵素を作用させて生成した白色粉末。多分岐αグルカンの一種であるイソマルトデキストリンを主成分とし、食物繊維量は80%以上になる。
効果としては、他の食物繊維素材ではあまり見られない、肥満に関連する腸内細菌バランス改善作用が動物試験で見出されている。ラットにファイバリクサを3.3%含む飼料を2週間与えて盲腸内容物中のファーミキューテス門細菌数とバクテロイデス門細菌数の比率を調べた結果、非摂取群が3.82だったのに対し、摂取群は1.82に低下。太りにくいと報告されている〝両細菌数が同等〟に近づいたことが確認された。
同社ではこの研究結果をはじめ、ビフィズス菌を非摂取時に比べて約100倍増やす作用や整腸作用のデータを用いて、健康及び一般食品メーカーに提案していく方針。機能性表示食品への対応も視野に入れている。
トレハ専用工場を増築
㈱林原(岡山市北区)は、「トレハ」専用の製造工場である岡山機能糖質工場・T棟の増築を開始したと9月24日発表した。同社ではトレハ生産増強による安定供給で、競争力強化を図るとしている。
増築建物の概要は、鉄骨造り4階建てで、建築面積約1240平方㍍、延床面積約2220平方㍍。竣工予定は来年9月で、投資総額は約26億円になる。
建物内には、トレハ製造に使用する濃縮装置や結晶化装置を導入するほか、作業導線の改善、自動ラック倉庫導入などによる物流面の効率化も図る計画。
増築工場稼働後には、トレハ年間製造能力は現在の3万5000㌧から、約3割アップした4万5000㌧前後を同社では見込んでいる。
T棟は09年6月竣工後、12年にはFSSC22000の認証を取得するなど、製造品の安全性を構築する取組みも行っている。