収穫減で価格が高騰 ブルガリア産バラ素材(2015.10.8)


 化粧品をはじめ、口臭や体臭ケアサプリに利用されているブルガリア産のダマスクローズオイルとウォーターの国内販売価格が、4割前後上がっている。今年5月頃に、ブルガリアで収穫されたバラ蕾の量が例年の4割程度だったため。複数の輸入商社への取材で分かった。

 ブルガリアでバラ収穫量が減少した理由は、蕾が出来始める3月に降雪や霜が降りるなどの突然の寒さに見舞われ、蕾の成長が妨げられてその数が少なかったためと推測されている。取材企業の話では、現地栽培農家でも「前例が無い」と話しているという。

 輸入商社によれば「現地価格は一度上がると下がることは無い」と言い、値下げは困難な状況。また、このところ世界的に天候不順が続いているため、同商社らは来年の収穫についても楽観視はしておらず、取引先企業には早目の注文を呼びかけている。

 一方、ブルガリアと並ぶダマスクローズオイル、ウォーターの生産地であるイラン産でも、原料商社から来年以降の値上げの話が聞かれている。今年のイラン産オイルとウォーターは、例年並みに製造されたという。しかし、ここ数年の人件費などのコスト増、円安の影響に加えて、今年はフランスの需要が増加。これにより現地価格が上昇、吸収しきれなくなったと話している。

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