特商法など改正、丁寧な検討求める 経団連が意見(2015.10.8)


 日本経済団体連合会(経団連)は9月30日、消費者委員会が8月にまとめた特定商取引法専門調査会の中間整理及び消費者契約法専門調査会の中間取りまとめに対する意見をまとめた。いずれも事業者の経済・事業活動の制限や負担となる規制強化に懸念を示し、今後の検討では、事業者の意見なども踏まえ丁寧な検討を求めた。

 特商法関係では、指定権利制を廃止し原則すべての権利の販売を特定商取引法の適用対象とする方向で検討を求める一方、権利の概念の外延については条文などで分かりやすく規定・解説すべきとした。また、勧誘規制については、自主規制の強化や再勧誘禁止の執行強化等で対処すべきであり、不招請勧誘を禁止・制限することは適当ではないとした。

 さらに、訪問販売や電話勧誘販売に対し消費者が勧誘を受けない意思を登録する「Do not knockregistry」や「Donot call registry」の制度導入には反対だと表明。訪問販売等のお断りステッカーの制度化も反対だとした。悪質業者を入り口で排除することを目的にする事前参入規制も、事業者のコスト増大に対し、悪質業者に効果があるか疑問として賛成できないとした。

 一方、消契法では、法適用の前提である「消費者」概念の安易な拡張や、情報提供義務を法的義務化し、義務違反には損害賠償の規定を定めることに反対した。さらに、勧誘要件のあり方では、一般的な広告等の全てが不当勧誘規制の対象となることに強く反対するとした。特商法でも挙がっている不招請勧誘の規律を設けることも反対した。

 裁判例を踏まえた対応策については、不利益事実の不告知に関する対応策として挙がっている、不実告知の故意要件の削除、不告知型の先行行為要件削除にそれぞれ反対した。

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