特殊糖質研究実績活かしプロテオグリカンを開発(2013.10.10)
機能性素材開発のハイドロックス㈱(埼玉県飯能市)。ブタ・ウマ由来プラセンタエキスに続く同社の新原料は、プロテオグリカンである。
「良くも悪くもクセのあるものが多い」──開発素材の特性について同社の代表自らがこう述べているが、今回の新原料にもクセがある。
製品名は「プロテオグリカンE」。「E」と付けたのは、プロテオグリカンを構成するグリコサミノグリカン(糖鎖)にE型コンドロイチンが多く含まれるからだという。
一般的にプロテオグリカンは、1本のコアタンパク質に糖鎖が一定の様式で結合した高分子の糖タンパク質として、関節軟骨や皮膚など全身に存在すると言われる。
同社によると、プロテオグリカンにも種類がある。結合する糖鎖の種類に基づくもので、それはコンドロイチン硫酸だったり、デルマタン硫酸だったりする。
「どの糖鎖が結合しているかは存在する部位によって違ったりする」(大石一二三・同社研究開発担当)。因みにコンドロイチン硫酸型プロテオグリカンが多いのは、主に軟骨だ。
E型コンドロイチン硫酸といえば、研光通商㈱が積極提案しているロコモティブシンドローム対応素材。E型コンドロイチンが多く含まれるというイカ頭部軟骨を原材料にしたもので、その製造委託先がハイドロックス。コンドロイチンの型まで規格化した原料はこれが唯一と見られる。
今回開発したプロテオグリカンも、原材料は同じ。E型コンドロイチン硫酸とほぼ同時に開発を進めていた。
「特殊糖質の抽出・精製から分析まで、世界をリードしたのは日本」だと強調する大石一二三氏は、ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸などムコ多糖類の製造販売で知られる生化学工業㈱の糖鎖研究室出身。その後、米ボストン大学医学部生化学教室の助教授などを務めたが、その時の専門も特殊糖質だった。
同社では今回、「有機溶媒を一切使わないネイティブなプロテオグリカン原料」(同)を開発したという。E型コンドロイチン型プロテオグリカン含有量を85%以上で規格化したもので、機能性食品・化粧品の両面から配合提案していく。