機能性表示食 登録制など制度改正を 日弁連シンポ(2015.11.2)
機能性表示食品制度のスタートから半年が過ぎた10月29日、同制度を含めた健康食品全般について改めて考える機会にしようと、日本弁護士連合会の主催でシンポジウム「今あらためて『健康食品』を考える」が東京・霞が関の弁護士会館で開催された。当日は消費者や関係者など115名が集まった。
大妻女子大学名誉教授の池上幸江氏と、日弁連消費者問題対策委員会の石川直基弁護士が登壇。講演やパネルディスカッションが行われた。
石川氏はトクホや機能性表示食品などの保健機能食品といわゆる健康食品の制度を比較。そのうえで、トクホには安全性の審査があるが、それ以外の健康食品にも安全性確保の方策を検討すべきとしたほか、GMP(適正製造規範)による品質管理が必要だと訴えた。また、広告については原則自由としつつ、現行法ではトクホも含め多少の虚偽・誇大でも可能であり規制が甘いと批判。科学的根拠があいまいな広告の禁止や誤認を与えない表現に規制すること、適格消費者団体の差止請求権を健康増進法にも導入すべきだと語った。
機能性表示食品では、届出制ではなく、所管庁が取消権を持つ登録制にすべきと主張。ほかにも被害情報集約のため統一の連絡窓口を設置することや、トクホとの差別化のため、国の審査を受けていない旨の免責表示を「当社の判断です」などとするよう提案した。
池上氏は、各国の機能性表示制度の違いや国内制度の成り立ちなどについて講演。パネルディスカッションでは、健康被害情報を国全体でシステム化することや、健康食品に頼らず普段の食事が大事であり、消費者も知識を高めていくよう訴えた。