PM2.5対策で緑豆エキス 龍榮総研が提案開始(2015.10.22)

龍榮緑豆写真

 PM2.5など大気汚染が国際的にも深刻化するなか、和漢理論をベースに独自の考え方を組合わせた「方材ピラミッド」理論で各種の機能性素材を提案している㈱龍榮総研(東京都三鷹市)は、デトックス機能をコンセプトとした機能性素材「緑豆エキス」の原料及びOEM供給を始めた。今月初めから提案したところ、いまだ衰えないインバウンド需要への新たな素材提案を模索していた原料商社や受託メーカーから引き合いが多数きており、「感触は上々」とし、広く業界に提案していく方針だ。

 同原料は17年前に開発、当時は抗アレルギー素材として売り出していた。「アレルギー対応の素材は競合が多く、緑豆エキスがその分野で浸透することが困難だった」(高橋龍榮社長)といい、当時から機能性として確認していたデトックスの機能性を改めて訴求していくコンセプトに切り替えた。中国では大気汚染対策のひとつとして解毒作用などを目的に緑豆のスープを摂取することを薦めており、それらレシピについてもネット上で広く紹介されている。

 「緑豆エキス」は、緑豆を製法特許取得の熱酢酸水を用いた独自手法で抽出、その上澄み部分を使用するもので、サポニンやカリウムなどを含有する。また酢酸を用いることで含有するタンパク質を分解、変性させ極力アレルゲンを含まない原料に仕上げ、「動物実験では抗アレルギー剤のトラニラストを上回る抗アレルギー効果を示す」としている。

 同エキスの機能性は、神奈川県立栄養短期大学(現神奈川県立保健栄養大学)の一寸木宗一元教授に研究委託し、ラットを用いて農薬摂取による急性肝障害の改善効果を調べた。ラットの飼料に農薬のマラソン、メソミルを添加し、肝臓の微少肉芽腫を発現させ、途中から緑豆エキスを与えた群ではそれらが減少、組織異常の改善がみられ、解毒効果が確認された。また同エキス投与群では肝機能の回復傾向、体重の増加及び肝臓重量の増加を確認しており、解毒機構が働いていることが示唆されたとしている。
【写真=加工前の緑豆】

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