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【関連記事】「機能性表示食品　届出支援体制 続々整う　（１）」からの続き

　青汁関連商品に多用されている大麦若葉末が機能性表示食品素材となる可能性が出てきた。

　大麦若葉末に含まれる食物繊維は特定保健用食品の関与成分。東洋新薬の申請により便通改善作用の表示が許可されている。それに加え、食後血糖値上昇抑制作用についても、間もなくトクホとして表示許可を得られる見通し。これも同社が申請したもので、消費者委員会は今年8月、トクホに認めて差支えない旨を答申した。

　その中で同社は、大麦若葉末の便通改善と食後血糖値上昇抑制の2つの機能性についてそれぞれの研究レビューを先ごろ終え、現在、新たな機能性表示食品の開発を進めている。安全性についてもトクホ申請実績を生かし、盤石なエビデンスを整えたという。

　同社はこれまでに米由来グルコシルセラミドなど6つの機能性関与成分について届出を行い、それぞれ受理。これら届出実績を生かした機能性表示食品の開発提案を進めており、今後、大麦若葉末についても、今回の研究レビューを活用した機能性表示食品の開発支援を展開していくと見られる。ここ数年で人気の高いグリーンスムージーなどを機能性表示食品にできる可能性も出てきた。

　ここにきて取り扱い事業者が顕著に増加しているオリーブ関連原料でも、新制度に対応しようと複数社が動いている。

　このうち研究レビューをこのほど完了させ、機能性表示食品の開発提案を開始したのは「オラリス」などオリーブ関連原料の供給で実績のあるエーザイフード・ケミカル。日本でも人気の高いオリーブオイルの有効成分の一つで、ポリフェノールの一種、ヒドロキシチロソール（ＨＴ）について、〝血管ケア〟効果が期待できる機能性関与成分として提案している。

　オリーブの機能性については、欧州食品安全機関（ＥＦＳＡ）がオリーブ油由来ＨＴやその派生物などポリフェノールに関し、「血中脂質を酸化ストレスから保護するのに寄与する」旨の健康強調表示を許可している背景がある。

　その中で同社がレビューで評価したＨＴの機能性は、ＥＦＳＡにより機能性が確立されたともいえるＬＤＬコレステロールの酸化抑制作用。レビューで最終的に採用できた文献は複数あり、ＨＴを1日当たり5㍉㌘摂取することによる有効性を改めて確認できたという。このレビュー結果に加え、安全性情報、ＨＴの定量・安定性試験情報も提供しながら届出支援を行いたい考えだ。

　一方、このレビューに対応する原料として提案しているのは新製品のオリーブ果実抽出物「ＨＴ‐6」。スペイン最大のオリーブ生産会社オレイコラ社グループのナタック社が製造するもので、将来の需要増を見越した安定供給体制を整えた。また、抗炎症作用がありグルコサミンとの複合素材としてニーズの高いオリーブ葉抽出物「オラリス」もＨＴを規格化しているため、対応原料として提案していく。

　レビューで確認されたＨＴの有効摂取量は微量であることから、サプリメントから飲料など一般加工食品まで機能性表示食品に応用できると同社は自信を見せる。1日当たり5㍉㌘のＨＴを摂取するには、「ＨＴ‐6」として１日当たり83.3㍉㌘、「オラリス」としては同25㍉㌘に過ぎない。

　美容機能性表示食品では、米由来グルコシルセラミドのＳＲを原料供給するオリザ油化がこのほど終え、最終商品販売各社に対して商品開発提案を始めた。

　同社によると、外部識者も交えて実施したＳＲから可能だと考えられる機能性表示は、「肌の保湿力（バリア）機能を高め、肌の乾燥を緩和する機能のあることが報告されています」。

　このＳＲに対応できる米由来グルコシルセラミドとして、同社主力原料の「オリザセラミド」（登録商標）を供給する。

　ＳＲでは、米由来グルコシルセラミドの摂取が経皮水分蒸散量と角質水分量に与える効果について文献調査。その結果、最終的に採用できた査読付き臨床試験論文5報に対し定性的研究レビューを行った上で、各文献の経皮水分蒸散量、角質水分量に関するデータについてメタアナリシス（定量的研究レビュー）を実施した。

　レビューの結果、1日当たり1.8㍉㌘の米由来グルコシルセラミドを12週間摂取することによって、顔や腕など身体の主要露出部の経皮水分蒸散量の有意な低下が確認された。一方、角質水分量に関しては上昇傾向が確認されたものの、有意な変化は認められなかったという。

　肌の保湿機能を訴求する機能性表示食品をめぐっては、ヒアルロン酸がサプリメント7品目（17日現在）で届出実績を挙げた。一方、米由来グルコシルセラミドも1品目で実績があるうえ、主要原料メーカーが届出支援体制を整え始めたことを受け、グルコシルセラミドについても今後、届出実績を高めていくことになりそうだ。

　なお同社では、供給するクロロゲン酸含有生コーヒー（グリーンコーヒー）豆エキスについてもＳＲを終えている。評価結果から想定できる表示は次の通り。「クロロゲン酸類には体脂肪の増加を抑制することが報告されており、体脂肪が気になる方および肥満気味の方に適しています」。

（了）