TPP 栄養補助食の関税撤廃 アマニなど食用油も(2015.10.22)
政府は20日、日米など12カ国が今月5日に大筋合意した環太平洋パートナーシップ(TPP)協定の全容を公表した。輸出入する全9018品目のうち8575品目の関税を撤廃、撤廃率は95%に上る。発効後即時撤廃は半数の51.3%。関税を残すのはコメや牛・豚肉、乳製品などの重要5項目に位置づけたもの、雑豆、こんにゃく、しいたけ、海藻など農産物443品目となる。
加工食品では、ビタミンをもととした栄養補助食品(現行関税12.5%)は、無糖が即時撤廃、加糖は6年目に撤廃する。食用油は多くが即時撤廃または段階的に撤廃され、亜麻仁油(同5%または5.5円/㌔㌘)は6年目でゼロとなる。魚油(同7%又は4.2円/㌔㌘)、魚の肝油(同3.5%)は即時撤廃、水産品では寒天(同112円/㌔㌘)も即時撤廃される。主にカナダから輸入されるメープルシュガー、メープルシロップは4年目で撤廃。このほか、カムカムは即時撤廃、はちみつは8年目、マテは6年目でそれぞれ撤廃される。
重要5項目でも輸入実績がないものや少ない項目は段階的に関税を引き下げる。フローズンヨーグルトは段階的に引き下げられて11年目でゼロに。乳幼児用調製粉乳用ホエイは米国枠3000㌧などの関税割当枠を設けて枠内無税とする。
でん粉は、現行の糖価調整制度を維持したうえで糖化・化工用に7500㌧のTPP枠を設ける。輸入量が少ないコーンスターチやばれいしょでん粉、イヌリンは国別枠(当初2740㌧から6年目に3550㌧)を設け調整金を設定する。