オメガ6の一種「HYA」 日東薬品が実用化へ(2015.11.12)
オメガ6脂肪酸の一種で、抗肥満作用などが期待される「HYA」について、京都大学などと共同研究しているOTC医薬品製造販売の日東薬品工業㈱(京都府向日市)は10月27日、4年後の2019年度に食品素材としての実用化を目指す方針を発表した。特定保健用食品や機能性表示食品の関与成分として市場展開したい考えだ。
同社によると、HYAの正式名称は「10‐ヒドロキシ‐シス‐12‐オクタデセン酸」で、植物油に含まれるリノール酸を乳酸菌で反応させることでつくられるオメガ6脂肪酸の一種。腸の炎症を抑えたり、脂質代謝異常を改善したりするほか、肝臓への脂肪蓄積を抑制したりする機能性などを持つことが、これまでの基礎研究で確認されているという。
HYAの食品としての実用化は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業の一貫として進めるもので、助成事業が終了する17年2月末までに特定保健用食品に求められる安全性・有効性データの取得を行い、抗肥満食品素材としての実用化につなげる計画だ。
HYAの製法に関しては、「中規模の製法確立に成功している」(同社)といい、大量生産技術を確立させる目的で同社は今年1月、HYAの実用プラントとほぼ同じ機能を備える研究棟を新たに稼働させている。
これを活用することで商業ベースでの生産を検討しつつ、大量生産技術の確立を目指したい考えだ。