「血流保ち体温維持」受理 機能性表示食品(2015.11.12)
伊藤園が飲料で届出
冷え改善効果を間接的に訴求する機能性表示食品の届出情報を消費者庁が9日、公開した。モノグルコシルヘスペリジンを機能性関与成分とするもので、届け出たのは伊藤園。同成分を添加した茶系飲料2品目について「気温や室内温度が低い時などの健やかな血流(末梢血流)を保ち、体温(末梢体温)を維持する機能があることが報告されています」と表示する。
血流や体温に言及する届出表示は初。同様の効果が示唆されている素材や成分は他にも多く、これらについても機能性表示食品素材化への道が拓けたと言えそうだ。「『冷え』と表示することは許されなかったのかどうかが気になるが、対応を進めたい」と植物系原料事業者は話す。
伊藤園が届け出たのは「お~いお茶 巡りさらら」と「ヘルシープラスさらさら麦茶」の2商品で、来年1月18日から販売開始の予定だ。主力ブランドに追加する前者はダブル・ヘルスクレームを行うもので、特定保健用食品として表示許可実績のある、血中中性脂肪を減らす機能も併せて表示する。
同2商品の機能性の科学的根拠は研究レビューによる。末梢血流や末梢体温の回復を検証する寒冷負荷試験が行われた査読付き臨床試験論文3報を最終的に採用し、評価した。
さば缶に「中性脂肪低下」
機能性表示食品の届出総数は11日現在133品目。1カ月あまりで30品目超が積み上がった格好で、届出受理スピードが僅かだが早まった感がある。一方、届出実績を生かしたOEMや形状違いなど、バリエーション商品の届出が増えてきてもいる。
届出実績を企業別に見ると、受託製造企業の東洋新薬が計12品目でトップ。実績を生かした届出支援も積極的に進めており、受託開発・製造商品の届出も始まった。同社では、届け出る訴求機能を今年度中に20機能まで引き上げる考えだ。
一方、サプリメント以外の加工食品が届出実績を伸ばしている。届出全体のうち60品目が該当し、サプリメントとの差がなくなりつつある。
10月27日の届出情報更新では、マルハニチロが届け出た、さば水煮缶詰が受理。DHA・EPAを関与成分にしたもので、中性脂肪の低下機能を表示する。同成分を関与成分にした加工食品は、日本水産も十数品目について届出書類を提出しており、受理を待っている。近く、サプリメントが抜かれる可能性もありそうだ。