機能性表示食品で疑問点など解説 業界横断祭で(2015.11.30)


 日本通信販売協会と健康食品産業協議会は30日、都内で「『機能性表示食品制度』業界横断祭」を開催した。2団体合同の初の横断的な企画として、消費者庁から同制度の担当者である食品表示企画課の清野富久江課長補佐を招き、制度概要から届出の注意点などを解説するととともに、質問として挙がった検討会実施の有無について、「消費者基本計画に記されたこれまでの積み残しとされる2点の検討課題である栄養成分と関与成分が不明な成分(素材)に関して行う」として、疾病対象者をデータ利用することについて予定はないと述べるととともに、実施時期の明言も避けた。

 当日は2部構成。第1部で「『機能性表示食品制度』の現状と注意点」と題し登壇した清野氏は、まず「受理されたものと取り下げたもの含め、届出数は500件を超える」と現在の届出状況について述べた。また同制度の概要を述べながら、機能性関与成分として判断されない医薬品成分について、「時々出てきている」として注意を促した。

 機能性の表示については、不適切な例示として「血液をサラサラにする」「低下した肝機能を改善する」や、疾病名が入った表示は認められないとし、また「脳の健康をサポートする」といった表示についても、「脳の健康とは何か。具体的なレビューは何でどのような指標なのか。科学的根拠に基づいて説明してほしい」との見解を示した。

 なお第1部では、届出受理企業として㈱ファンケルの寺本祐之氏が機能性関与成分を特定する際の情報収集体制の整備や薬との相互作用など自社での取組み事例を述べ、次いで日本健康・栄養食品協会の津布久昌二氏が、同団体で進める届出支援体制などを紹介した。


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